小さなチーム、大きな仕事 働き方の新しいスタンダード

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目次

対象

まずこの本を読むと良い対象読者を確認しよう。本の最初にこうある。

この本は、ビジネスを始めようなどと夢にも思ったことのない人から、すでに会社の経営に成功している人までを対象にした、一風変わったビジネス書だ。

ジェイソン フリード,デイヴィッド ハイネマイヤー ハンソン. 小さなチーム、大きな仕事 働き方の新しいスタンダード (Japanese Edition) (Kindle の位置No.103-104). Kindle 版.

バリバリの起業家や副業などスモールビジネスを運営している人、サラリーマンやビジネスを始めようなんて考えてもない人のための本だとある。

すでに何らかのビジネスを起こしている人には、これまでになかった視点を、まだビジネスを始めていない人や始めようとも思っていない人には、起業に向けたモチベーションを与えてくれる本になっていると思う。

ポイント

僕個人のハイライトをいくつか紹介しよう。

point1

何か本当にしたいことがあれば、他にやることがあろうとも時間を作る。残念なことに、多くの人はそれほどではないのだ。そして彼らは時間を言い訳にして自尊心を守ろうとする。言い訳してはいけない。夢を実現するのは、完全にあなたの責任なのだ。

ジェイソン フリード,デイヴィッド ハイネマイヤー ハンソン. 小さなチーム、大きな仕事 働き方の新しいスタンダード (Japanese Edition) (Kindle の位置No.309-311). Kindle 版.

これは読んだ時の僕の状況と合致していたので、心に刺さった。プロジェクトが忙しいと言い訳をして、個人的な勉強や開発を疎かしていた。

何かを始めるには毎週数時間の時間を絞り出す。これで十分だし、捻出することは絶対に可能だ。

時間がないという言い訳はしてはいけない。改めて認識した。

point2

信じているものが何かをわかっていなければ、すべてが議論の対象になってしまう。すべてに議論の余地がある。しかし何か拠って立つものがあれば、決断は明らかになる。

ジェイソン フリード,デイヴィッド ハイネマイヤー ハンソン. 小さなチーム、大きな仕事 働き方の新しいスタンダード (Japanese Edition) (Kindle の位置No.330-331). Kindle 版.

自分のプロダクトやサービスの信念は何か?ということを明確に確立せよ、ということを述べている。

本の中には具体例までは紹介しないが、シンプルさを追求したプロダクトにおいて、多機能を求めるユーザーの声を切り捨てる決断ができるということだ。

得てして、僕たちは周囲の声を拾ってしまいがちだ。特にSNSが発達した現代では、クレームや批判の声が大きく届きがちだろう。そんな声に日和って自分たちの製品の特徴を殺してしまうのか、それとも自分たちの信念に基づいた開発を行うのか。

素晴らしい、顧客を惹きつけるビジネスに置いて何が大切かを教えてくれる。

point3

間違いを自分の物にする方法は以下のとおり。

・メッセージはトップから発する。最上位の人間が力強く指揮をとる。 ・メッセージをできるだけ広範囲に発信するためにできる限りのことをする。臭い物に蓋はご法度。 ・「ノーコメント」は選択に入れないし、あってはならない。 ・人間として謝罪し、事故の詳細を説明する。 ・誠実に顧客のことを考え、行動で示す。

ジェイソン フリード,デイヴィッド ハイネマイヤー ハンソン. 小さなチーム、大きな仕事 働き方の新しいスタンダード (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1527-1532). Kindle 版.

3番目のポイントは、過ちを自分のものにする方法に述べたこの部分である。

これは何かを述べるまでもなく、読んだ通りである。

だが実際に間違いに直面した際にこの通り行動できるのか。 この記事を書いているちょうど数日前にこのようなニュースがあった。

ロシアで軽油1万5000トンが川に流出、プーチン氏が非常事態宣言(https://www.afpbb.com/articles/-/3286547)

この事故の概要は火力発電所から軽油が付近の川や土壌に流出し、その流出量はロシアの近代史上2番目になるという。だが問題はそこだけに止まらず、事故が発生した後の対応にも問題があった。

発電所は流出後報告を怠り、ロシア政府が状況を把握するまでに2日間もの時間が空いたのだ。

ここでもう一度引用の部分をみてほしい。この事故に対する発電所の責任者は何か守れたものはあるのだろうか?

もし、自分が何か間違いを起こしてしまった時には、必ず上記の内容を実施することだ。それが最終的な信用に繋がる。

総評

この本は、会社の規模が大きければいいという考え方や、必死に働くべきだ、という従来の価値観から現代のビジネスのあり方の転換を図るきっかけになる本のように思う。

さらっと読めるので、一読して損はないだろう。

エンジニアへのオススメ度:3 ★★★☆☆ ビジネスマンへのオススメ度:3 ★★★☆☆ 考え方の合理的度:5 ★★★★★

小さなチーム、大きな仕事 働き方の新しいスタンダード